介護保険法改正と介護報酬改定

 

さて、そこで各事業の介護報酬がどのような改訂をなされようとしているか、大きい改正点に絞って述べてみましょう。

 

介護報酬全体としては+1.2%となりました。「平成24年度介護報酬改定に置いては、介護職員の処遇改善の確保、物価の下落傾向、介護事業者の経営状況、地域包括ケアの推進等を踏まえ」と説明されています。内訳は在宅分+1.0%、施設+0.2%。ただ、地域区分(地域ごとの1単位あたりの単価)の減額、−0.6%と介護職員処遇改善交付金分0.4%とを差し引くと施設は−2.2%、在宅は−0.6%と減額となります。

 

共通点については、地域区分単価(1単位あたりの単価)については、5区分を7区分として東京都特別区などは単価が増額され、地方都市の単価は減額されるようです。このことは、全体の介護報酬に響いてきます。さらに今まで介護職員処遇改善のための交付金は別枠の国庫補助金でしたが、介護報酬として加算の形で導入される予定です。

 

特養については、やはり従来どおり個室ユニット型のケアを基本としています。多床室はペナルティとして減算が掛かるかもしれません。居室定員基準を「4人以下」から「1人」に見直すようです。また、多床室の方からも居室料を取ることになり、個室ユニット型の居室料を軽減するということです。さらに特養の看取り機能の強化、社会福祉法人の低所得者減免の推進、51人以上の入所定員の施設は介護報酬が若干下がる可能性があります。ただ、

 

通所介護では「3−4時間」「4−6時間」「6−8時間」などに分かれている現行の時間区分を、「3−5時間」「5−7時間」「7−9時間」などに見直す。家族介護者支援(レスパイトケア)を促進する観点から、延長加算の上限時間も現行の2時間から3時間に増やし、最大12時間まで評価される仕組みに改めるという内容です。また、10人規模の介護報酬は減額されそうです。

 

訪問介護については生活援助中心のサービスは現行基準で、「30分以上60分未満」(229単位)と「60分以上」(291単位)に区分されていますが、これを「45分未満」と「45分以上」に再編する
というものです。

 

今回の介護保険性改正で何が変わる?

 

 総じて言えば、介護サービスは介護報酬に直結しています。どんな高尚な理念があっても介護報酬の減額はサービス内容の悪化につながります。ですから、今回の改訂は社会保障費全体の自然増を抑制するために介護保険のサービス内容を微妙に悪化させることに成りはしないかと危惧しています。

 

 細かい点で、医療との連携を強化すると加算が付いたりはしますが、誘因になる程度の加算額でないため、それほど変化はないのではないかと思います。施設や介護事業所はこれから出て来る改定告示を注視して、いかに減収にならないかという経営戦略を立てつつあります。

 

 私の意見としては、あまり猫の目のように介護報酬をいじらないで、介護サービス事業所の長期的な育成・資質向上を目指す方が利用者のためになると思います。

 

 ただ、先に挙げた特養では、個室ユニット型居室に入所する場合、若干居室料が安くなります。社会福祉法人の減免制度などを使うと貧困層の方でも個室に入れる可能性は高まるかもしれません。終の棲家としての特養で看取りが増加することも家族の負担軽減につながるかもしれません。原則個室となるので、次第に居住環境は良くなっていくでしょう。大都市は別として、大規模施設の利用料も若干下がるかもしれません。

 

 訪問介護では、45分単位の生活援助サービスができれば、実質利用料が下がったと言えるかもしれません。ただ、介護保険導入前のヘルパーさんより、介護保険導入後のヘルパーさんの方が忙しそうで、話し相手にもなってもらえないという不満がありましたが、短時間で一定のサービスをこなすため、その不満がさらに増える可能性はあります。

 

 通所介護では今まで利用していたデイサービスが6時間提供の事業所でしたら、そのままだと利用料が1段階下がる可能性があります。また、利用料がそのままで、利用時間が1時間延長されて楽しみが増えるかもしれません。

 

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